改憲・戦争阻止大行進運動について

対韓国輸出制限は戦争への道 今こそ労働者の国際連帯を! 8・12労働者市民の集いに集まろう

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東京北部ユニオンブログより

8月2日、安倍政権は、輸出手続き上の優遇措置を与える「ホワイト国」から韓国を除外する閣議決定に踏み切りました。
徴用工訴訟で日本企業への賠償を命じた韓国大法院決定への報復措置とともに、マスコミは国家主義・排外主義の大合唱。そして日韓の貿易と民間交流への深刻な影響が急速に拡大しています。

しかし、植民地支配された韓国の徴用工の訴えは正当です。それは戦争責任を居直る安倍政権への怒りです。

韓国「反安倍」デモ
7月27日、韓国・ソウルで開かれた韓国への輸出規制に抗議する5000人の「ろうそく集会」をマスコミは「反日デモ」と報道したが、参加者が掲げたプラカードにあったのは、ハングルで「NO安倍」とあり、明確に安倍首相を批判しています。
「韓国『安倍糾弾デモ』のメカニズム」(徐台教氏  | ソウル在住ジャーナリスト。「コリアン・ポリティクス」編集長のリポート)参照

労働者は、国境を越えて一つです。労働者の国際連帯で戦争を止めましょう。
それをリアルにつかみ実際に前進させる集会が、8月12日に行われます。ぜひ参加してください。

■国益と排外に憲法は屈するのか?8.12労働者市民のつどい
とき◆8月12日(月・休)午後1時開会
ところ◆曳舟文化センター(墨田区、京成押上線「京成曳舟」1分)

講演◆半田滋さん(東京新聞論説兼編集委員)「先制攻撃する自衛隊」
コント◆松元ヒロさん「なんでもアリで安倍改憲?」
アピール◆韓国・民主労総ソウル本部「国際連帯で戦争止めよう」
報告◆西川重則さん「憲法審査会を動かすな!」 ほか
資料代:1000円(前売800円)
主催◆8.15実行委員会(tel.03-5467-8480)

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また、民主労総との国際的な団結を結んできたJRの労働組合である動労千葉は、この事態に緊急アピールを発しました。私たちもこのアピールに賛同し、ここに転載させていただきます。

(緊急アピール) 動労千葉国際連帯委員会

改憲・戦争に向かう安倍政権打倒!
対韓国輸出制限を即時撤回せよ!

安倍政権は、「徴用工」とされた方々の訴えに関し日本企業への賠償を命じた韓国大法院決定を激しく攻撃し、はては報復的輸出規制に訴えて国家主義・排外主義、韓国民衆への敵愾心を煽りたてている。われわれはその非道な攻撃を絶対に許さない。日本政府は戦後74年間、歴史に深く刻まれた戦争責任を未だ明確にとることなく開き直っている。そして、韓国民衆が今もその責任を問うて必死に声をあげ続けざるをえない状況を強制してきた。その痛みがどれほどのものか真剣に向き合わなければいけないというのに、逆に口を極めて罵り、攻撃することを絶対に許してはならない。

しかも、その企みの背後では憲法を改悪し、大軍拡を進め、日本を再び「戦争のできる国」にしようとする歴史的大反動が進められている。

安倍政権は3化学製品に加え、「安全保障上の輸出管理問題」と称して1000品目にわたる輸出規制を閣議決定し8月末に施行すると発表している。それは戦争行為に等しい暴挙だ。

日本の労働者は“二度と戦争を繰り返させてはならない”と固く決意して戦後再び歩みはじめたはずであった。問われているのはわれわれ自身だ。韓国の労働者民衆は私たちの敵ではない。私たちの友人だ。敵は国家主義を煽りたてる日本政府だ。私たちは怒りに燃え立つ韓国労働者民衆の闘いを断固として支持する。固く団結し、戦争を煽りたてる安倍政権を倒すために全力を尽くして闘いぬくことを決意する。

日本帝国主義は1910年の「韓国併合条約」を契機として、本格的な朝鮮、中国、アジア侵略に突入した。徴用工問題とは軍隊慰安婦問題と並び、「言葉まで奪う」過酷な民族抑圧と抹殺の支配体制のもとで行われた凶悪な戦争犯罪だ。

そして1965年、日本政府はその「清算」を狙ってパクチョンヒ軍事独裁政権との間で日韓基本条約を締結した。巨万の韓国人民は、軍隊を使った弾圧をも突き抜けて韓日条約反対闘争を貫いた。日本でもこの韓国人民の不屈の闘いに励まされ、動労千葉青年部など多くの青年労働者は日韓条約反対を闘い抜いた。

しかし日本政府はこの条約とその締結過程を通して、謝罪はおろか「韓国併合条約」は「合法」と言い募り、「賠償」の言葉も一切使用せず、いくばくかの資金を軍事独裁政権に渡して日本資本の対韓投資の呼び水として行った。安倍政権が繰り返す言辞「1965年の日韓請求権協定で完全かつ最終的に解決」は全くのペテンである。

安倍政権とJRは手を組んで、「自動運転」を理由に運転士・車掌まで外注化・非正規職化に叩き込み、国鉄闘争の破壊に踏み切った。関西生コン支部に対しては、労働組合活動そのものであるビラ配布やコンプライアンス点検活動まで「恐喝未遂」や「威力業務妨害」にでっち上げ、80人以上の組合員を逮捕・拘留し50人以上を起訴すると言う常軌を逸した大弾圧を開始している。

労働組合というあり方を根絶する攻撃が、国家主義・排外主義を煽り立てる中で進行している。しかし一方で、職場生産点を階級的労働運動が握りしめる闘いが確実に進み、日韓労働者の共同闘争を軸とした国際連帯の闘いが大きく発展している。

私たちは労働者の今と未来を掛け、韓国・世界の労働者と固くスクラムを組み、報復的輸出規制を絶対に許さず、改憲・戦争に向かう安倍政権を必ずや打倒する。

共に闘おう!

2019年8月1日

動労千葉国際連帯委員会

戦後初の「改憲」焦点にした国政選挙 ~参院選にあたって訴える

(東京北部ユニオンブログより)
改憲・戦争阻止!大行進の呼びかけ団体である動労千葉(国鉄千葉動力車労働組合)のアピールを転載します。
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改憲・戦争絶対許すな!
非正規職だけの社会にさせるな!

 戦後初の「改憲」争点とした国政選挙
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 安部首相は、今次参院選を「改憲の是非を問う選挙」と位置づけた。告示にあたっての記者会見では「令和の日本がどのような国を目指すのか理想を語るのが憲法」「議論すらしない政党か、議論を進める政党かを選ぶ選挙だ」と打ち上げ、公約には「早期の憲法改正を目指す」と明記されている。安倍政権は、7月21日投票の参院選を、戦後初めて「改憲」を争点とした国政選挙として挙行し、秋の臨時国会で改憲を発議しようとしている。「戦争放棄」「戦力不保持」を定めた9条をくつがえし、「戦争のできる国」にしようというのだ。

 そのために、新天皇即位や東京オリンピック祝賀の政治的キャンペーンが組織されている。1940年、「皇紀2600年」の大祝賀運動のもと、大政翼賛会・産業報国会が組織され太平洋戦争に堕ちていった歴史とそっくり同じことが繰り返されている。われわれは歴史の大きな分岐点に立っている。道を踏み違えてはならない。

11月集会デモ
 憲法9条に自衛隊保有が明記されれば、「兵力確保」が憲法上の義務となる。地方自治体や学校には自衛官募集の義務が課せられ、マスコミや企業も協力が強制される。今でさえ「自衛官募集に非協力的だ」と地方自治体が激しく非難されている。若者の自衛隊への入隊は、海外派兵が始まってから半減している。この状況の中で、自衛隊が憲法に明記されれば、必ず徴兵制が俎上にのぼることになる。改憲とは、これまでの社会のあり方を根本からくつがえすクーデターに他ならない。
さらに安倍政権は、「緊急事態」には憲法を停止し、首相に独裁的権限を与える条項を新設しようとしている。かつてナチス・ヒトラーは憲法を一条も変えることなく独裁と戦争と大虐殺を遂行した。その時に使った手口が「緊急事態条項」の発動であった。

 空前の大軍拡が進んでいる。攻撃型空母の建造、最新鋭ステルス型戦闘機F35147機の購入、地上配備型迎撃ミサイルシステム・イージスアショア配備が決定され、反対の声を踏みにじって沖縄・辺野古新基地建設が強行されている。集団的自衛権への踏み出し、戦争法の制定をもって「専守防衛」も有名無実化し、武器輸出が「成長戦略」として推進され、報道の自由は封殺されて国家主義・排外主義が洪水のようにあおられている。

 開始された戦後最大の雇用破壊攻撃
 それと一体で、戦後最大の雇用破壊攻撃が吹き荒れている。「働き方改革こそ、安倍政権の最大のチャレンジだ」というのだ。「無期雇用転換」の美名の下に「非正規職のジェノサイド」が吹き荒れ、「高度プロフェッショナル制度」と称して8時間労働規制が打ち砕かれ、「同一労働同一賃金」の名の下に非正規職並賃金の「名ばかり正社員」が大量に生み出され、「雇用契約によらない働き方」と称して労基法も、最低賃金法も、社会保険法も適用されない「労働者」が生み出されようとしている。安倍政権は「生産性革命」を掲げて「非正規職だけの社会」をつくろうとしているのだ。
 先進諸国の中で、日本の労働者の賃金水準だけが、この20年の間に9%下落している。その間に英・米・仏・独の賃金が60~90%上昇していることを見れば、あまりにも異常な事態が進行したことがわかる。

第二次安倍政権の6年間で非正規職が309万人増加し、全雇用労働者の39%に達した。1600万人以上が年収200万円以下で働いているのだ。「年金では2千万円不足する」という金融庁の報告や政府の態度に怒りの声が燃え広がっている。だが現実は、2千万円足りないどころか、今後、非正規職労働者の高齢化に伴い「700万人余りが生活保護に落ち込んでいく」と言われているのだ。
30年にわたって吹き荒れた新自由主義攻撃は、社会を破壊して暴れ回るむきだしの暴力であった。生み出されたのは「全世代が集団懲罰にかけられているような」社会だ。今こそ新自由主義を終わらせるために立ち上がらなければならない。

 労働運動の復権をかちとろう!
 今JRの職場では、首相官邸と資本が一体となった激しい労組破壊攻撃が吹き荒れている。国鉄分割・民営化に賛成した御用組合さえ潰して「労組なき社会」をつくろうとする攻撃だ。それと一体で鉄道業務のすべてを何百もの子会社にバラバラに外注化し、労働者ごと突き落としていく攻撃が進行している。これが「働き方改革」の正体だ。
また、ゼネコンと巨大セメントメーカーに立ち向かい続けてきた全日建連帯労組関西地区生コン支部に対しては、ストライキに立ち上がったがゆえに70人もの組合員が次々と不当逮捕される組織絶滅型の大弾圧がかけられている。それは、改憲と「働き方改革」を貫徹するための労働運動解体攻撃だ。現代の産業報国会化攻撃に他ならない。

 われわれはこんな攻撃には絶対に負けない。労働運動が潰されたとき戦争は現実化するのだ。「戦争だけは二度としてはならない」は、戦後日本の労働運動の原点であった。今こそ眦(まなじり)を決して立ち上がるときだ。韓国で、アメリカで、フランスで、香港で、全世界で、社会の変革を求める怒りの声は燃え広がっている。改憲と戦争を許すな! 非正規職だけの社会は絶対に作らせない! 労働運動の復権をかちとろう! 反動安倍政権を打倒しよう!

11月集会会場
動労千葉は、11月3日、連帯労組関西生地区コン支部、全国金属機械港合同、韓国・民主労総ソウル地域本部とともに、今秋臨時国会での改憲発議阻止、「働き方改革」粉砕、労働運動再生をめざして、日比谷野外音楽堂で、労働者総決起集会・改憲阻止!1万人大行進を開催します。ぜひとも多くの仲間たちの結集を訴えます。

辺野古埋めるな!9条変えるな! 「改憲・戦争阻止!大行進」1周年集会inすぎなみのお知らせ

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辺野古埋めるな!9条変えるな!

「改憲・戦争阻止! 大行進」1周年集会inすぎなみ


集会プログラム 

17:00 開場(ロビーで多彩な展示を行っています)

18:3519:10 上映『SAVE HENOKO

19:1019:40 講演『沖縄の闘いに連帯を』藤本 幸久 さん(映画監督)

19:4019:50 若者たちによる群読

19:5020:15 講演『戦争への道を阻むために』高山 俊吉 さん(弁護士)

20:1520:40 地域や労働者からの発言

【とき】3月1日(金) 開場 午後5時

【ところ】セシオン杉並ホール(杉並区梅里1の2232

【資料代】500円

【主催】「改憲・戦争阻止! 大行進」実行委員会











11・4全国労働者集会/改憲阻止!1万人大行進(日比谷野音)に集まろう

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10月24日の臨時国会開会日、安倍首相は所信表明で、改憲発議を打ち出しました。
「議員の責任で」と公明党・維新だけでなく、国民民主・立憲民主などに「大政翼賛」を呼びかけ、自民党改憲案の提示から改憲案発議を狙っています。
戦後かつてない改憲をめぐる決戦に入りました。

改憲・戦争、労働大改悪と闘う11・4全国労働者総決起集会/改憲阻止!1万人大行進に集まり、安倍政権を倒しましょう。1万人の銀座デモを実現しましょう。


11・4全国労働者集会
改憲阻止!1万人大行進

11月4日(日)正午開会
東京・日比谷野外音楽堂
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■第1部 全国労働者集会


呼びかけ団体から

武谷新吾(全日建運輸連帯労組関西生コン支部)
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ゼネコン・セメントメーカーの収奪に抗する生コン労働者の産業別労働組合運動を展開。
激しい刑事弾圧と闘いつつ、改憲・戦争反対の先頭に立つ


中村吉政(全国金属機械労働組合港合同)
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田中康宏(国鉄千葉動力車労働組合)
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金元重(国鉄分割・民営化に反対し、1047名解雇撤回闘争を支援する全国運動)



国際連帯の訴え

★韓国・民主労総ソウル地域本部
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パククネ政権を倒した「ローソク革命」の先頭でゼネストを引き継ぎ、「職場革命」を闘う


★全米教員ストの震源地から
 ジェイ・オニールさん (ウェストバージニア・ユナイテッド)
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アメリカ全州を揺るがす教育労働者ストライキの先頭に立つ

★イラク戦争では港湾封鎖で闘った
国際港湾倉庫労働組合(ILWU)
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イラク戦争では港湾封鎖のストライキを闘ったILWU


「働き方改革」との闘い
★東京過労死を考える家族の会
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国鉄1047名解雇撤回闘争
乗務員勤務制度解体・外注化を許すな


■第2部 改憲阻止!1万人大行進


★西川重則(とめよう戦争への道!百万人署名運動)
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★野本三吉(改憲阻止!大行進・神奈川(準))

★福本道夫(横田・基地被害をなくす会)
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★沖縄・福島・三里塚から

宮城盛光さん
沖縄基地撤去の先頭に立つ、宮城盛光さん(北中城村 前村議)

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佐藤幸子さん(福島診療所建設委員会)

★築地市場の移転に反対する仲間から
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小池都政の豊洲移転強行に抗して、築地市場内での営業が続けられている

★星野文昭さんを取り戻そう全国再審連絡会議

その他、多数の団体や青年労働者、学生からアピール!

※歌や朗読劇ほか
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昨年は、青年たちによる寸劇が好評を博した


■午後3時 銀座デモ

東電前を通って東京駅前~常盤橋公園まで
誰でも参加できます!

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 (呼びかけ)全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部/全国金属機械労働組合港合同/国鉄千葉動力車労働組合/国鉄分割・民営化に反対し、1047名解雇撤回闘争を支援する全国運動/改憲・戦争阻止!大行進
【事務局】〒260-0017 千葉県千葉市中央区要町2-8 DC会館内
電話 043-222-7207  FAX 043-224-7197


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ストップ9条改憲発議! 労働大改悪・総非正規雇用化と闘おう!
 
国鉄1047名解雇撤回! 第3の分割・民営化攻撃粉砕! 

改憲・戦争に向けた労働組合の破壊を許すな!

11月4日、日比谷野音に集まろう

安倍の9条改憲案批判の学習会やろう! レジュメダウンロードできます

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PDFファイルのダウンロード

8月17日の改憲・戦争阻止!大行進東京北部実行委員会結成集会で、とめよう戦争への道!百万人署名運動東京北部連絡会の五條敦代表が提起したレジュメをダウンロードできるようにしました。

自民党総裁選を前に、安倍の9条改憲案をしっかり検討してみましょう。
「自衛隊明記」と「緊急事態」新設がいかにキケンかわかります!
職場で、地域で、友人どうしで! 津々浦々で学習会を広げていきましょう!


発議を許すな! 自民党改憲案の核心と安倍の改憲プラン


1.自民党改憲案の核心
① 9 条の 2:自衛隊の明記=9 条の無効化

【日本国憲法】
第 9 条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
② 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

【自民党改憲案・条文イメージ(たたき台素案):2018 年 3 月 24 日】
第 9 条の 2 前条の規定は、我が国の平和と独立を守り、国及び国民の安全を保つために必要な自衛の措置をとることを妨げず、そのための実力組織として、法律の定めるところにより、内閣の首長たる内閣総理大臣を最高の指揮監督者とする自衛隊を保持する。
② 自衛隊の行動は、法律の定めるところにより、国会の承認その他の統制に服する。
(※ 第 9 条全体を維持した上で、その次に追加)

(1) 「前条の規定は、……を妨げず」との文言で、9 条に規定されている戦争放棄、戦力の不保持、交戦権の否認が無効化される。
(2) 「必要な自衛の措置」に限定がなく、「自衛の措置」には「集団的自衛権」を含むことから、自衛隊の活動が際限なく拡大する。
(3) 「国民の安全を保つため」として、在外法人保護・救出を名目とした自衛隊の海外派兵が正当化される。
(4) 「自民党憲法改正草案(2012 年 4 月 27 日)」と比較すると一見穏当な内容に見えるが、事実上、その核心部分がほぼそのまま取り込まれている。⇒ 「国防軍」という名称が採用されずに「自衛隊」のままとなり、「審判所」(=軍法会議)の規定を欠いているだけ。

【自民党憲法改正草案:2012 年 4 月 27 日】
第 9 条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動としての戦争を放棄し、武力による威嚇及び武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては用いない。
② 前項の規定は、自衛権の発動を妨げるものではない。
第 9 条の 2 我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全を確保するため、内閣総理大臣を最高指揮官とする国防軍を保持する。
② 国防軍は、前項の規定による任務を遂行する際は、法律の定めるところにより、国会の承認その他の統制に服する。
③ 国防軍は、第一項に規定する任務を遂行するための活動のほか、法律の定めるところにより、国際社会の平和と安全を確保するために国際的に協調して行われる活動及び公の秩序を維持し、又は国民の生命若しくは自由を守るための活動を行うことができる。
④ 前 2 項に定めるもののほか、国防軍の組織、統制及び機密の保持に関する事項は、法律で定める。
⑤ 国防軍に属する軍人その他の公務員がその職務の実施に伴う罪又は国防軍の機密に関する罪を犯した場合の裁判を行うため、法律の定めるところにより、国防軍に審判所を置く。この場合においては、被告人が裁判所へ上訴する権利は、保障されなければならない。
第 9 条の 3 国は、主権と独立を守るため、国民と協力して、領土、領海及び領空を保全し、その資源を確保しなければならない。

② 73 条の 2、64 条の 2:緊急事態条項の新設
【自民党改憲案・条文イメージ(たたき台素案):2018 年 3 月 24 日】
第 73 条の 2 大地震その他の異常かつ大規模な災害により、国会による法律の制定を待ついとまがないと認める特別の事情があるときは、内閣は、法律で定めるところにより、国民の生命、身体及び財産を保護するため、政令を制定することができる。
② 内閣は、前項の政令を制定したときは、法律で定めるところにより、速やかに国会の承認を求めなければならない。
(※内閣の事務を定める第 73 条の次に追加)
第 64 条の 2 大地震その他の異常かつ大規模な災害により、衆議院議員の総選挙又は参議院議員の通常選挙の適正な実施が困難であると認めるときは、国会は、法律で定めるところにより、各議院の出席議員の 3 分の 2 以上の多数で、その任期の特例を定めるこ
とができる。(※国会の章の末尾に特例規定として追加) 

(1) 「災害」 にだまされるな!
「災害」とは、法律上、「自然災害」だけを意味するものではない。
たとえば、「災害対策基本法」では、「大規模な爆発」や「放射性物質の大量の放出」が「災害」に含まれており、それらの原因がテロや戦争であっても「災害」と見なされうる。
また、「国民保護法(武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律)」では、「武力攻撃により直接又は間接に生ずる人の死亡又は負傷、火事、爆発、放射性物質の放出その他の人的又は物的災害」を「武力攻撃災害」としている。
自民党改憲案で「自然災害」ではなく「災害」という用語が使われているのは、「自民党憲法改正草案(2012 年 4 月 27 日)」(次ページ)で掲げられた「外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩序の混乱」を含む有事全般を対象とするためであると考えられ、きわめて狡猾なやり口であると言うほかない。

【災害対策基本法】
第 2 条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
1 災害 暴風、竜巻、豪雨、豪雪、洪水、崖崩れ、土石流、高潮、地震、津波、噴火、地滑りその他の異常な自然現象又は大規模な火事若しくは爆発その他その及ぼす被害の程度においてこれらに類する政令で定める原因により生ずる被害をいう。(後略)
【災害対策基本法施行令】
第 1 条 災害対策基本法(以下「法」という。)第 2 条第 1 号の政令で定める原因は、放射性物質の大量の放出、多数の者の遭難を伴う船舶の沈没その他の大規模な事故とする。
【武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律】
第 2 条 (前略)
④ この法律において「武力攻撃災害」とは、武力攻撃により直接又は間接に生ずる人の死亡又は負傷、火事、爆発、放射性物質の放出その他の人的又は物的災害をいう。

(2) 「政令」 に制限なし
「73 条の 2」は、内閣が法律と同一の効力を持つ「政令」を制定できるようにしようとするものである。
この規定は、国民が直接選挙した議員で構成される国会だけが法律を制定できるという仕組を破壊し、三権分立の意味を失わせる。
「内閣」を「天皇」に、「国会」を「帝国議会」に、「政令」を「勅令」に読み替えれば、「大日本帝国憲法」第 8 条の「緊急勅令」の規定と瓜二つの内容だが、「帝国議会」が「承諾」しないときは「効力ヲ失フコトヲ公布スヘシ」と明記されている「大日本帝国憲法」の方がまだマシかもしれない。

【大日本帝国憲法】
第 8 条 天皇ハ公共ノ安全ヲ保持シ又ハ其ノ災厄ヲ避クル為緊急ノ必要ニ由リ帝国議会閉会ノ場合ニ於テ法律ニ代ルヘキ勅令ヲ発ス
② 此ノ勅令ハ次ノ会期ニ於テ帝国議会ニ提出スヘシ若議会ニ於テ承諾セサルトキハ政府ハ将来ニ向テ其ノ効力ヲ失フコトヲ公布スヘシ

戦前のドイツや日本で憲法の国家緊急権条項が濫用されたことを顧みれば、「73 条の 2」の危険性は明らかである。
とくに「政令」の対象に限定がないことは決定的な不備であり、令状なしの逮捕も、集会・デモやストライキの禁止も、都合の悪い文書の破棄も、そして新しい罪をでっち上げることさえも可能になってしまうことになる。
また、「政令」の制定、国会の承認の手続が明確でないことも重大な欠陥であり、曲がりなりにも閣議による「緊急事態の宣言」やそれを継続する場合の「100 日を超えるごと」の「国会の承認」等が規定されていた「自民党憲法改正草案」よりひどい内容となっている。

【自民党憲法改正草案:2012 年 4 月 27 日】
第 98 条 内閣総理大臣は、我が国に対する外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩序の混乱、地震等による大規模な自然災害その他の法律で定める緊急事態において、特に必要があると認めるときは、法律の定めるところにより、閣議にかけて、緊急事態の宣
言を発することができる。
② 緊急事態の宣言は、法律の定めるところにより、事前又は事後に国会の承認を得なければならない。
③ 内閣総理大臣は、前項の場合において不承認の議決があったとき、国会が緊急事態の宣言を解除すべき旨を議決したとき、又は事態の推移により当該宣言を継続する必要がないと認めるときは、法律の定めるところにより、閣議にかけて、当該宣言を速やかに解除しなければならない。また、100 日を超えて緊急事態の宣言を継続しようとするときは、100 日を超えるごとに、事前に国会の承認を得なければならない。
④ 第 2 項及び前項後段の国会の承認については、第 60 条第 2 項の規定を準用する。この場合において、同項中「30 日以内」とあるのは、「5 日以内」と読み替えるものとする。
第 99 条 緊急事態の宣言が発せられたときは、法律の定めるところにより、内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができるほか、内閣総理大臣は財政上必要な支出その他の処分を行い、地方自治体の長に対して必要な指示をすることができる。
② 前項の政令の制定及び処分については、法律の定めるところにより、事後に国会の承認を得なければならない。

③ 緊急事態の宣言が発せられた場合には、何人も、法律の定めるところにより、当該宣言に係る事態において国民の生命、身体及び財産を守るために行われる措置に関して発せられる国その他公の機関の指示に従わなければならない。この場合においても、第 14条、第 18 条、第 19 条、第 21 条その他の基本的人権に関する規定は、最大限に尊重されなければならない。
④ 緊急事態の宣言が発せられた場合においては、法律の定めるところにより、その宣言が効力を有する期間、衆議院は解散されないものとし、両議院の議員の任期及びその選挙期日の特例を設けることができる。

③ 改憲を許せば? 「戦争できる日本」の完成
(1) 軍事中心の社会に変わる
この点について、石川裕一郎氏(聖学院大学教授、憲法)は、「とめよう戦争への道!百万人署名運動全国通信」第 246 号(2018 年 5 月 1 日)に掲載されたインタビュー記事「自民党〈自衛隊明記案〉を批判する」で、以下のように指摘している。

9 条に自衛隊を書き込むことの重大性は、自衛隊が対外的に戦闘するかしないかの問題だけではありません。
安倍政権は特定秘密保護法や共謀罪を安保法制とセットで成立させてきましたが、自衛隊を憲法で認めてしまうと、軍事にかかわることが社会の基底に置かれ、今の憲法下での日本の政治体制や市民社会のルールが変わっていく可能性があるのです。
まず、日本国憲法は、基本的人権の保障について、12 条で「公共の福祉のために」、13条で「公共の福祉に反しない限り」、29 条で「公共の福祉に適合するやうに」という限定を付けています。
これは他者の人権との衝突を調整する原理、および福祉国家の理念に基づいて経済的強者の権利を制限する原理として置かれているわけですが、自衛隊(軍)が憲法に坐ると、公共の福祉の中に軍事的な配慮が入ってきて、それで国民の基本的人権を制限するということが堂々とできるようになります。戦前はまさにそうでした。
侵略戦争に突き進む過程は「軍事的なるもの」を頂点にして、市民社会がそれに従属させられたわけですよね。学校教育体制も、産業も産業報国会として、家庭の男尊女卑的な家父長制もまさに軍事国家に尽くすための仕組みになった。徴兵制や物資等の徴発もそうです。
憲法学者の山内敏弘さんは、自衛隊を 9 条に明記すれば、自衛隊は憲法上の公共性を持ち、自衛隊の役務も兵役も「公共の福祉」に反しないことになると言っていますが、わたしもそう思います。
有事法制が作られたとき、地方公共団体とか、医療、交通、建設、運輸などの諸機関は労働者ごと有事=戦争の際の協力を強制される。国民保護法はそのためのものだと私たちは主張しましたが、それ以上の強権的な体制になるでしょう。
さらに、現行憲法では軍事裁判所(特別裁判所)は置いていないのですが、自衛隊が憲法に明記されれば、最高裁への上訴が可能であれば下級審に軍事裁判所が設けられる余地が出てくるということです。
抽象的な言い方をすると、軍隊には市民社会と別のルールがあって、例えば、命をかけて任務を遂行する、敵前逃亡してはいけないとかは普通の行政機関だったらありえませんが、堂々と軍隊になれば、海外に行くのは嫌だから辞めるってことも簡単にはできなくなったり、罰せられるようになるでしょう。

(2) 社会の軍事化はすでに始まり、ますます加速化している
上記のインタビューで石川氏も指摘しているように、社会の軍事化を支える仕組づくりは、有事法制(2003 年)をひとつの画期として、特定秘密保護法(13 年)、安保法制=戦争法制(15 年)、共謀罪(17 年)と、着々と進められてきた。国旗国歌法(1999 年)や教育基本法改悪(2006 年)もその一環として捉えられよう。いま、その総仕上げとして明文改憲が狙われている。
そして近年、「一強」と称される安倍政権下で目に余るのが、防衛費=軍事費の膨張と自衛隊の増長である。最近の報道から、それらを象徴する出来事を 1 つずつ挙げておきたい。

◆ 中国念頭に“空母”導入検討を首相に提言 自民(6/1:NHK NEWS WEB)
防衛力整備の指針となる「防衛計画の大綱」の見直しに向け、自民党は、海洋進出を強める中国を念頭に、空母の役割を担う「多用途運用母艦」の導入を検討するよう求める提言を、安倍総理大臣に手渡しました。
自民党の安全保障調査会と国防部会がまとめた今回の提言では、中国が海洋進出を強め、南西諸島から台湾にかけてを「第 1 列島線」と呼んでいることを念頭に「列島線防衛」を掲げ、空母の役割を担う「多用途運用母艦」の導入を検討するとしています。
さらに、多用途運用母艦にも搭載できる短距離の滑走で離陸可能な最新鋭戦闘機、F35Bを取得することや、NATO=北大西洋条約機構が GDP=国内総生産の 2%の防衛費を目標としていることも参考に、十分な防衛予算を確保することを求めています。
提言を受け取った安倍総理大臣は、「安全保障環境が大きく変わり、装備の技術も革命的に変化している。国民の命と領土・領海・領空を守っていくため、大綱の見直しに向けて、しっかりと検討の参考にしたい」と述べました。
このあと自民党の中谷安全保障調査会長は記者団に対し、「『列島線防衛』を掲げ、日本列島をしっかりと防衛できる体制を作るための提言だ。日米協力や防衛省の体制強化、それに予算の獲得が必要だ」と述べました。

◆ 「お前は国民の敵だ」現職自衛官が民進・小西氏に暴言か(4/17:朝日新聞デジタル)
民進党の小西洋之参院議員が 17 日、現職自衛官を名乗る男性から「お前は国民の敵だ」と繰り返しののしられたと、参院外交防衛委員会で明らかにした。防衛省は、統合幕僚監部に勤務する自衛官である可能性があるとみて調査している。(後略)
◆ (社説)自衛官の暴言 訓戒処分では軽すぎる(5/11:朝日新聞デジタル)
幹部自衛官が、国民の代表である国会議員を罵倒する異常事態に対して、この処分は軽すぎる。防衛省は問題の深刻さを見誤っていないか。
統合幕僚監部に勤務する 30 代の 3 等空佐が、当時民進党だった小西洋之参院議員(無所属)に暴言を吐いた問題で、防衛省は 3 佐への懲戒処分を見送り、訓戒にとどめた。
懲戒処分は自衛隊法に基づき免職、降任、停職、減給、戒告の 5 段階。懲戒に至らない軽微な規律違反には、内規に基づく訓戒、注意が適用される。最も軽いのが、業務上の指導としての口頭注意だ。
訓戒は下から 3 番目に軽い処分でしかない。たとえば 16 年 1 月の参院予算委員会に、防衛省幹部 3 人が大雪で遅刻した時の処分も訓戒だった。3 佐の言動は、政治が軍事に優越するシビリアンコントロール(文民統制)の原則を明らかに逸脱している。それを遅刻と同程度の処分とはいかがなものか。甘い処分は統制を形骸化させ、将来に禍根を残す。
首をかしげるのは、処分の理由が自衛隊法 58 条の「品位を保つ義務」違反とされ、61条に定めた「政治的行為の制限」違反を認めなかったことだ。
防衛省の聴取に、3 佐は「国民の敵」とは言っていないと主張したが、「あなたがやっていることは日本の国益を損なう」「馬鹿」「気持ち悪い」などの発言は認めた。安全保障関連法に強く反対した小西氏について「政府・自衛隊とは違う方向での対応が多い」と認識していたという。これが「政治的行為」でないというのは、ふつうの感覚では理解に苦しむ。
そのうえで防衛省は、3 佐がジョギング中に小西氏と遭遇した際の「偶発的」「私的」な発言で「文民統制を否定するものではない」と位置づけた。
だが、3 佐は相手が国会議員と承知のうえで、自衛官と名乗り、その政治姿勢を公然と批判した。これを偶発的で私的な発言とみなすのは、事態の矮小化そのものだ。河野克俊・統合幕僚長が発覚後の会見で「文民統制に疑義が生じている」と語ったのは何だったのか。戦前、軍部が暴走した反省から、自衛隊には憲法や法律に基づく制約が課されてきた。ところが安倍政権は、その憲法や国会を軽んじ、批判的な野党を敵視する姿勢が目立つ。政治が生み出す空気が甘い処分の背景にあるとすれば、危うい。自衛隊への信頼の根幹を支える文民統制と政治的中立を、有名無実化させてはならない。

2.要警戒! 安倍の改憲プラン
① 改憲の手続はどうなっているか?
「憲法改正原案」(国会法上の用語)の国会への提出には、憲法審査会による提出と議員発議による発議の 2 つのルートがある。

出典:衆議院憲法審査会事務局「衆議院憲法審査会 関係資料集(平成 30 年版)」

【国会法】
第 68 条の 2 議員が日本国憲法の改正案(以下「憲法改正案」という。)の原案(以下「憲法改正原案」という。)を発議するには、第 56 条第 1 項の規定にかかわらず、衆議院においては議員 100 人以上、参議院においては議員 50 人以上の賛成を要する。
第 102 条の 7 憲法審査会は、憲法改正原案及び日本国憲法に係る改正の発議又は国民投票に関する法律案を提出することができる。(後略)

② 楽観は禁物! 何でもありの安倍政治
昨年 5 月 3 日、安倍首相は改憲派の集会に寄せたビデオメッセージで、「9 条 1 項、2 項を残しつつ、自衛隊を明文で書き込むという考え方、これは国民的な議論に値するのだろうと思います」、「2020 年を新しい憲法が施行される年にしたいと強く願っています」などと述べ、改憲への強い意欲を示した。
ただし、その後の憲法審査会の経過を見ると、昨年の通常国会では衆議院で安倍改憲メッセージの前に決まっていたスケジュールをこなしただけに終わり、冒頭解散が行われた臨時国会ではもちろん開催されず、総選挙後に招集された特別国会と今年の通常国会で実質的な審議が行われたのは参議院でのそれぞれ 1 回(昨年 12 月 6 日、今年 2 月 21 日)のみで、改憲案の議論は全くと言ってよいほど進展しなかった。
2020 年に確実に新憲法が施行されるためには、19 年 7 月の参議院通常選挙の前、あるいはそれと同時に国民投票が行われる必要があり、発議のタイムリミットは遅くともその 60 日前となることから、上記のような憲法審査会の状況、そして予算審議や統一地方選、天皇の代替わり等の政治日程から見て、安倍改憲プランの実現は不可能になったと見る向きもある。
しかしながら、憲法審査会でなく、議員の発議によっても「憲法改正原案」の提出は可能なのであり、改憲勢力にとって衆議院議員100 人以上、参議院議員 50 人以上というハードルはなきに等しいものである。
ここ数日の安倍や側近の下記のような発言は、そのことを前提にしているものと考えられる。

◆ 首相、改憲案「次の国会に提出を」 総裁選争点化に期待(8/12:朝日新聞デジタル)
安倍晋三首相は 12 日、地元・山口県下関市で講演し、自民党の憲法改正案について「次の国会に提出できるようとりまとめを加速すべきだ」と語った。「総裁選が、党員の間で議論を深め、一致団結して前に進むきっかけとなることを期待する」と述べ、総裁選で改
憲を争点にする姿勢を示した。
首相は自衛隊の明記や教育無償化など党の改憲 4 項目を挙げ、「いつまでも議論だけを続けるわけにはいかない」と主張。憲法 9 条への自衛隊の明記について、「全ての自衛官が誇りを持って任務を全うできる環境を整えることは、政治家の責任。自衛隊をしっかり
と明記することで私はその責任を果たしていく決意だ」と意欲を示した。(太田成美)

◆ 「3 選の勢いで改憲へ」 自民・下村氏(8/16:朝日新聞デジタル)
自民党の下村博文・元文部科学相は 15 日、日本会議などが東京・九段の靖国神社で開いた集会で、9 月の党総裁選について「安倍晋三(首相の)3 選に向けた圧倒的な流れをつくり、その勢いで(今秋の)臨時国会で具体的な憲法改正論議に入っていかねばならない」と語った。自衛隊明記などを盛り込んだ党改憲案の「次の国会」への提出をめざす首相を後押しした。集会は「戦没者追悼中央国民集会」。衛藤晟一首相補佐官や佐藤正久外務副大臣らも出席した。

何しろ「何でもあり」の安倍政権のことである。やると決めたからには数の力で押し通す、(いまや絶滅危惧種だが)自民党内の良識派も公明党もいつも腰砕け、そんな光景を何度見せつけられてきたことだろうか。その最たるものが安保法制=戦争法の強行だった(思い返して怒りを新たにしよう!)。

安保法制=戦争法強行の経緯
○ 2013 年 2 月 7 日:安保法制懇(安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会)を設置
首相の私的諮問機関を公的機関であるかのように偽装、首相に近い「有識者」を集めた
○ 8 月 8 日:それまでの人事の慣行を無視して、集団的自衛権行使を可能とする憲法解釈の変更に積極的とされていた小松一郎駐仏大使を内閣法制局長官に任命
○ 2014 年 5 月 15 日:安保法制懇、憲法下での集団的自衛権行使を認める報告書を提出
○ 7 月 1 日:長年の政府憲法解釈を変更する閣議決定
○ 2015 年 4 月 27 日:安保法制を先取りする内容を含む日米防衛協力のための指針(ガイドライン)を、法案の国会提出前に改定
○ 5 月 15 日:安保法制 2 法案を国会に提出、25 日衆議院で審議入り
○ 6 月 4 日:衆議院憲法審査会で参考人 3 人全員が安保法制は違憲であると表明、以後法曹界の重鎮(憲法学者、元最高裁長官・判事、元内閣法制局長官)から違憲との指摘が相次ぐ
○ 6 月 22 日:国会会期の 95 日間延長を決定、通常国会としては戦後最長の会期に
○ 9 月 19 日:未明に参院本会議で可決、成立
○ 10 月:参院特別委の議事録改ざんが判明(参院事務局が成立直後に作成した未定稿の議事録では「速記中止」「議場騒然、聴取不能」と記されていたが、「速記を開始」「可決すべきものと決定した」などの文言が加わっていた)
○ 10 月 21 日:野党が連名で憲法 53 条に基づく臨時国会の召集を要求、政府はこれを無視

改憲は安倍の悲願であり、今回、私たちは安倍が安保法制=戦争法強行時を上回るような強権を発動してごり押ししてくることを覚悟して立ち向かっていかなければならない。

③ もし発議されたら? 国民投票運動で圧倒的な優位に立つ改憲派
さて、もし私たちの抵抗もむなしく改憲が発議されたら国民投票の結果はどうなるだろうか?
そのヒントになりそうないくつかの世論調査結果を見ると……
◆ 憲法に関する世論調査結果 共同通信(4/26:中日新聞)
問 6 あなたは「戦争放棄」や「戦力の不保持」を定めた憲法 9 条を改正する必要がある
と思いますか、改正する必要はないと思いますか。
・改正する必要がある 44 ・改正する必要はない 46 ・無回答 10
問 8 (問 6 で「改正する必要がある」と答えた人に聞く)9 条を改正する場合、あなたが
最も重視すべきだと思うことは何ですか。(回答者 851 人)
・現在の自衛隊の存在を明記する 47 ・自衛隊を軍として明記する 14
・自衛隊による国際貢献を行う規定を設ける 12
・自衛隊の海外での活動が際限なく拡大しないよう歯止めの規定を設ける 24
・その他 2 ・無回答 1
問 12 憲法改正の議論では、大規模な自然災害や外部からの武力攻撃などの緊急事態に
対応するため、内閣の権限を強め、移動の自由など個人の権利を制限できる条項を新設
する案があります。あなたは賛成ですか、反対ですか。
・賛成 42 ・反対 56 ・無回答 2
問 13 緊急事態の場合に、衆院や参院の選挙が実施できず、立法府が機能しなくなる恐れ
があるとして、憲法上に「衆院 4 年」「参院 6 年」と明記されている国会議員の任期を
延長できるようにする案が検討されています。あなたは賛成ですか、反対ですか。
・賛成 32 ・反対 66 ・無回答 2
問 22 安倍首相は憲法改正に強い意欲を示しています。あなたは安倍首相の下での憲法
改正に賛成ですか、反対ですか。
・賛成 38 ・反対 61 ・無回答 1
問 23 安倍首相は、2020 年の改正憲法の施行を目指すとしています。自民党は憲法改正
の国会発議を今年中に行い、国民投票を経て 20 年の改正憲法の施行を目指しています。
このスケジュールに賛成ですか、反対ですか。
・賛成 36 ・反対 62 ・無回答 2
調査の方法:層化 2 段無作為抽出法により、1 億人余の有権者の縮図となるように全国 250
地点から 18 歳以上の男女 3 千人を調査対象者に選び、郵送法で実施した。
3 月 7 日に調査票を発送し、4 月 13 日までに届いた返送総数は 2040。有効回答は 1922。
回収率は 64.1%で、回答者の内訳は男性 49.0%、女性 51.0%。
東日本大震災の被災地のうちの 3 県に加えて、熊本県について一部地域を調査対象か
ら除いた。
◆ 報道 STATION・
ANN 世論調査
◆ 毎日新聞世論調査
(5/3:毎日新聞)

今のところ緊急事態条項については改憲反対が多数となっている(サンプルが「共同通信」だけなので確たることは言えない)が、9 条については賛否が拮抗している。
現在の国民投票法には広告の規制がほとんどないという重大な欠陥があり、世論調査に回答しない、あるいは「わからない」と回答する人々の多くは、資金力で圧倒する改憲賛成派が洪水のように流す TV-CM に影響されて「賛成」に回る可能性が高いのではないか。
楽観は許されない。発議を許したら一巻の終わりだというくらいの覚悟で闘うことが必要だと思う。
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