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   6月3日、無実で獄中43年 星野文昭さん解放全国集会とパレードが高松市で開催されました。
集会には、全国から1,000人の参加があり、徳島刑務所に収監中の星野文昭さんの解放を勝ち取る決意を新たにしました。

 2009年の法務省通達で、長期服役者に対して、更生保護委員会が仮釈放の審議を行うことが定められています。無期懲役刑で服役し30年が経過している星野さんに対して、四国更生保護委員会が仮釈放の審議を行うことが焦点となっています。星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議(以下、連絡会議)では、仮釈放の審議を求める要望書を呼びかけ、これまでに7回の申し入れで累計4406枚を提出。集まった数は既に5000枚を超えています。
 私たち  「無実の星野文昭さんを取り戻そう!東京北部の会」は、4月に練馬区江古田の「ギャラリー古藤」絵画展を開催。→練馬区江古田で星野文昭絵画展&永田浩三さん講演会開催
来場者に要望書運動を呼びかけ、多くの賛同が得られました。

   集会冒頭、今年新たに結成された連絡会議兵庫と杉並・高井戸があいさつ。星野さんを紹介する映像が上映され、獄中の星野さんから本集会に寄せられたメッセージが読み上げられました。以下に全文を掲載します。

◆星野文昭さんからのメッセージ
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懲罰許さず 星野解放をかちとろう
2018 年6月3日
星野文昭
( 徳島刑務所在監・72歳 )

  今、安倍・トランプが1%のために過労死と戦争を労働者民衆に強いる中で不正腐敗を極めている社会を、労働者民衆の団結の力、闘いで変え、労働者民衆が主人公となって誰もが力を合わせ人間らしく生きられる人間本来の社会を実現する歴史的扉を私たちは開いています。
 その中で、戦争に反対し、沖縄闘争を闘って無実の無期・43年投獄を強いられている星野の解放の闘いが広く力を結集し大きく高揚しています。
 無実で43年投獄の理不尽極まりない攻撃に怒り、星野解放をかちとる闘いが私たち全ての未来を開く闘いとして、本日の6・3をテコに大きく高揚を勝ちとり勝利を開きましょう。
 先日、徳島刑務所がバッグ製作の新事業の疲れからくる生活上のミスを理由に懲罰を加えたことは、大として当たり前に生きることそのものを否定するものです。今日の新自由主義国家が改憲・戦争、総非正規化によって、人が働き生きることを全面的に否定するものと同根であり、許せません。労働者民衆は力を合わせ誰もが人間らしく生きられることによって最も深く満たされるが故に、それを求め実現する力をもっています。それによって力を合わせ、誰もが人間らしく生きられる人間本来の社会をどこまでも発展することもできます。

ゼネストの力で人間らしく生きる社会を

 資本・権力が労働者民衆を搾取・収奪の対象とし、その本来の力を奪い奴隷化しようとしても、労働民衆が労働を担い、生活を担い、その本来の力をもつ社会の真の主人公であることを、労働者民衆が生きていることそのものを奪うことは決してできません。
 そして今、資本と権力、安倍が1%と身内の利益を第1にして、国家とその担い手を私物化・私兵化して不正・腐敗を極め、労働者民衆に改憲・戦争、過労死・総非正規化を強い、大が大として生きることを否定するまでに至って、その存在価値を失っています。
 この時に、その存在そのものを許さない絶対反対の立場にたって、本来の誇りと力を甦らせ、社会の真の主人公として社会を動かす労働者民衆が団結して闘い、団結を拡大発展し、国際連帯の力、ゼネスト・総決起で安倍・トランプを資本・権力を倒して団結のうちに、本来の力を奪い返して、誰もが力を合わせ、人間らしく働き生きることを発展させていくことが、今の時代の希望・目標に、全ての労働者民衆の希望・目標になっています。
 それを体現しているのが、JR総連・連合が命脈が尽きているなかで、労働者民衆全体の未来を開く階級的労働運動一国際連帯の闘いであり、改憲・戦争阻止大行進の運動であり、沖縄闘争・諸闘争であり、星野解放の闘いです。
 その闘いに全ての労働者民衆の結集を呼びかけ、団結を組織し、闘う労組、闘う運動体に組織し勝利を手にしていこう。

星野とすべての労働者民衆の解放を!

 戦争・沖縄基地に反対し、人間解放に立ち上がって闘いへの無実の無期・43年投獄という許し難い労働者民衆への攻撃への怒りを解き放ち、星野解放をかちとり、団結し勝利する力、人間本来の力を奪い返しましょう。
 星野を取り組むことが本来の自分、前向きで積極的な力を合わせ未来を開いていく自分を取り戻す、今の安倍への怒り、理不尽への怒りを甦らせ、自分たちの力で未来を開く運動になっていることに一番励まされています。この運動を全社会的に、すべての労働者民衆のなかにもっともっと広げ発展し、自らの本来の力、団結した力、星野を解放する力、改憲・戦争を阻止し、人間本来の誰もが力を合わせ人間らしく働き生きる社会を奪い返す力を手にしていきましょう。そうして、星野と自らとすべての労働者民衆の解放をかちとりましょう。
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続いて、弁護団が登壇。再審と証拠開示を要求していくこと、星野闘争と一体で大坂正明さんの無実を勝ち取る決意を述べました。
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   記念講演として、星野全国再審連絡会議共同代表の平良修さんが「沖縄と星野文昭」と題してお話しくださいました。講演では、「国内植民地」とされてきた沖縄の、本土の施策に対する根底的な怒りが提起されました。その中で、当時の沖縄の人々と連帯し立ち上がった星野さんの革命的人間性に共感し、人間の尊厳を取り戻す天地に恥じない行動を共に進めていこうと提起されました。
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  集会後半では、青年企画として、詩の群読が行われました。
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  この詩は、星野さんのお連れ合いである星野暁子さんが星野さんに想いを寄せて詠んだ愛情溢れる作品です。以下に群読の全文を紹介します。

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面会室 パートⅢ


談笑の途絶えた 待合室

待っている 面会人は 私ひとりだ

番号を 呼び出す アナウンスはなく

現れたのは 処遇第一統括

「弁護士が面会したから

星野には 会えない」

思いを断つ 言葉を

笑顔で言った



24回目の 結婚記念日の この日

贈りたかった 言葉があった

その すべてを 閉ざして

月2回の わずかな

家族の 語らいすら

認められないと 統括は 言った


アクリル板で 遮られる

その ずっと手前の 検問

待っているはずの 文昭

たどり着けなかった 面会室

 
◆森の匂い


大河の向こうから

私(わたくし)の あの男(ひと)が

悲しく 私の名を 呼び続ける

 
傷だらけの あの男の体から

私の名を 呼ぶ声だけが

聞こえて

 
雨の日も 日照りの日も

この世なのか あの世なのか

幾世紀かの 隔たりを越えて

その声は 聞こえて


生きていく 思い の すべてを

ここにかけて

私は あの男を求めて

さまよった


木々がなびき

風の音が

あの男を 運んできてくれるように

折りながら

かけまわる 私の体は

朝露に 濡れて

 
疲れ果て

森の静けさに 包まれた時

木々の 色めく 匂いよ

一つになって


◆我と彼を 生きさせよ


「希望」が舞い降りた日に 2.5徳島刑務所包囲デモ


「星野さんを返せ!」

「星野さんは無実だ!」

「受刑者を人間扱いしろ!」


「希望バス」に乗って

全国から集まった老若男女が

星野のぼりと赤旗をたなびかせ

徳島刑務所を 取り囲む

坂道を 練り歩いた


手を伸ばせば そこに
 
37半開 囚われている
 
星野文昭がいる


入りロの門にも

刑務所の裏にも

口を閉ざした 刑務官が

立ち並んだ
 

一言の言葉を伝えようと
 
声限りに叫ぶ

600の顔!

顔!

泣きながら

泣きながら

その顔は 叫んでいた


そこにいるのは まぎれもなく

自分の分身であり

とり戻すのは 自分自身だ


「やっと 来れたんだね」

と 文昭は 両手を広げて

待ち受けていた

 
37年の分断と

心の鎖を 断ち切って

我とわが身で 一つに化した 感動が

誰もの心を つかんで 離さなかった


「星野を返せ!」

「暖房を入れろ!」

叫びながら

必ず とり戻せるという

「希望」が

600の隊列の 確信になった

 
◆解放の日に


出発するのは 朝がいい

「パリッとした トーストを

食べてみたい」と 言っていた

あなたの 願いを

今日は 全部 かなえる日だ


モーニングを二人で 食べて

湖面に 浮かぶ

二人の姿を 見ながら

最高の 散歩コース

桜も 芽吹く草本も

喜びを 身体いっぱい 告げ知らせる


春は やってくる

春は やってくる

 
「労働者が 死ぬほど 働いても

食べてはいけない 社会は

私たちが 望んでいる 社会ではない」

韓国と日本の 働き人が

一つの 願いを 生きて

今日という日を 迎えてる

 
その目は  必ず 訪れる


◆以下、青年の主張


今日、青年の思いは一つです。


星野さんが取り戻されない社会は

人間が 人間らしく生きられる社会ではありません


再び近づく戦争の足音

戦争は二度と繰り返させない

と 立ち上がる多くの人々

私たちは 星野さんと同じだ



星野さんを 取り戻すということは

自分自身を 取り戻すということ

だから絶対に取り戻したい!

取り戻そう!

取り戻そう!

そして

こんな社会も 変えよう!


「会えない時も いっしよに 生きてる」

と 寄り添ってきた暁子さんのもとに

心から 無実を信じてきた

家族の皆さんのもとに


私たちの

思いを 一つにして

必ず   星野さんを   取り戻しましょう!

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   青年が星野さん、暁子さんと一体となった群読に対して、会場からは感動の拍手が沸き起こりました。

   続いて、高崎経済大学(星野さんの出身校)がある群馬県高崎市で音楽活動を続け、星野さん救援運動も担っている田島咲乃さん、田島基江さんが登場。ソプラノとピアノによる「あの坂を登って」「ラブミー・テンダー」の演奏に会場が酔いしれました。
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そして今回、スペシャルゲストとして、星野さん夫婦をモチーフに制作された舞台「ブラインドタッチ」の脚本家である坂手洋二さんと、主演の高橋和也さんが登場。星野暁子さんとのトークショーに会場のボルテージがピークを迎えました。
  坂手さんは、情勢が星野さん解放の現実身を帯びていると主張。高橋さんは、役を演じることに苦労もあった。43年間もの間服役している現実に衝撃を受けたと星野さんに思いを寄せていました。
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左から星野暁子さん、坂手洋二さん、高橋和也さん

  更生保護委員会闘争について、共同代表の戸村裕実さんが「獄中43年、無期懲役刑30年は国家犯罪である」と断じ、更生保護委員会が無実の星野さんの釈放決定を行うように要求しました。
  星野さんの家族が登壇し、一日も早い星野さんの解放を訴えました。

  集会後、パレードが開催されました。パレードは、星野さんが獄中で描いた水彩画のレプリカや、色とりどりの風船が携えられ華やかなものになりました。四国更生保護委員会前やアーケードを練り歩き、沿道からの注目を浴びていました。
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高松市内を元気にパレード!

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水彩画や風船を携え華やかなパレードになりました

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坂手さん、高橋さんがパレードに加わりました

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四国更生保護委員会が入るビル前にて


  全体を通じて、本集会・パレードで星野文昭さん解放の現実性を強く認識するとともに、陣形が形成され情勢を動かしつつあると実感しました。星野さん解放闘争は国家権力との対峙であり、改憲、戦争阻止と一体です。星野さんの一日も早い解放を勝ち取りましょう!