IMG_1589
 2月10日、「国鉄分割・民営化による不当解雇から32年 2・10国鉄集会」が市川市文化会館で開催され、620名が参加しました。

 この集会は、1987年、当時の中曽根康弘首相のもと推し進められた国鉄分割・民営化(=分社化・リストラ・JR新会社)に真っ向から対峙し闘ってきた、国鉄千葉動力車労働組合(動労千葉)を先頭に、全国の動労総連合、更に産別の代表などから闘いの報告・発言がありました。

★労働組合が、「地域の崩壊」「改憲」との闘いの先頭に
連帯のあいさつを「内房線と地域を守る会」の松苗代表が、直通列車・特急の削減に対する地域の闘いの報告を行いました。松苗さんは「ローカル線切り捨てで高校生が通学できない状況などに反対している」「夫はずっと国労の組合員で、保線労働者だった。いつも線路の音に耳をすませていた」と発言されました。労働者としての誇りをかけて安全を闘ってきたことが伝わってきました。
また、千葉県高教組の方が、教育委員会による平和教育プリントの検閲を許さず、改憲を止めると決意を語りました。
地域を守り戦争・改憲許さない運動は、やはり戦後の労働組合が支えてきたと実感しました。

p20190210_02
またこの集会の重要なスローガンとして、「関西生コン支部への弾圧を許さない」が掲げられました。東京西部ユニオン・鈴木コンクリート工業分会書記長の吉本伸幸さんが、関西生コン支部への大量逮捕弾圧の真実を暴露した本「ストライキしたら逮捕されまくったけど それってどうなの」を紹介。「2月5日、関生支部の仲間が滋賀県警により16人逮捕されました。戦前戦中の治安維持法が共謀罪として実行されているんです。
 労働組合が団結し、会社に対して「ふざけるな!」と言って闘うのは当たり前です。それが「威力業務妨害」や「恐喝未遂」になったら、ストライキなんかできません。
 安倍が労働組合をつぶせと言っている。われわれは絶対に許せない。東京で関生支部つぶしを絶対に許さない集会をやろうと思います。労働組合の力を見せ付けて、改憲攻撃をぶっつぶしましょう。」

★なぜ今、国鉄闘争なのか
 国鉄分割・民営化は、当時の国鉄職員を半分に減らす大攻撃でした。国家の基盤である鉄道の民営化は、安全の崩壊、労働者の低賃金・非正規職化の始まりであり、これが日本社会全体に波及していきました。今日にまで続く新自由主義の元凶です。

 これに反対した国労など多くの国鉄労働者に対して、会社側は組合員の徹底した差別を強行し、人材活用センター(今で言う「追い出し部屋」)に叩き込まれました。
そしてこの過程で、国鉄職員200人が自殺に追い込まれました。分割・民営化反対を掲げていたはずの動労本部(今のJR総連)本部が賛成に転じた裏切りによるものです。

しかしこれに対して、動労千葉は組合の全存在をかけての2波のストライキを打ち抜きました。この闘いが、最後まで反対を貫く「1047名」と呼ばれる解雇撤回の運動が生み出したのです。

 この闘いで培われてきた「闘う労働運動」は、2010年の4・9「政治和解」での1047名闘争終結策動を乗り越えて、動労千葉を中心に今現在も脈々と闘われています。2015年6月30日には、最高裁で国鉄解雇・JR採用時に不当労働行為があったとの高裁判決が決定されました。

 現在、千葉県労働委員会による公益委員の忌避申し立て却下決定の取り消しを求める裁判には、動労千葉の代理人として、47名もの弁護団が組織されています。32年の時を経て、国鉄闘争と改憲・戦争阻止闘争が根底から結び付いています。かつての中曽根首相は「国労・総評を潰してお座敷に立派な憲法を安置する」と述べています。これは、闘う労働組合を潰すことが、改憲・戦争につながることを意味するからです。 
国鉄闘争が、今もなお日本の労働運動の最先頭に位置しているのはそのためです。

IMG_1588
▲「解雇撤回をJRに認めさせるまで闘い続ける」
意気込みを語る動労千葉組合員


★闘う労働組合を甦らせよう
 本集会では、ダイヤ改正で廃線・減便が危ぶまれる房総半島の教育労働者や、沖縄戦の真実を生徒に教えるために学校の権威と闘う教育労働者、自治体労働者、そして、今最も強烈な弾圧を受けてもなお闘い続ける関西生コン労働組合などから、連帯のあいさつがありました。動労千葉を先頭に、改憲・戦争阻止を闘う陣形が着実につくられています。


 皆さんも職場の組合に入って、動労千葉のように闘う労働組合を甦らせましょう!動労千葉は、その最先頭で闘います!動労千葉を支援する会へのご参加、よろしくお願いします!


動労千葉を支援する会ホームページ